細かい話ですが、どうしても気になってしまうので…。

私の記事の表記ルール
韓国所属馬をどうカタカナ表記するか?という件です。私の韓国競馬関連記事で競走馬を表記するときは、基本韓国語(英語、日本語)の形で表記します。
例:글로벌히트(GLOBAL HIT、グローバルヒット)
これには3つの理由があり、一つ目は読者の皆さんに読みやすいように。二つ目は原語表記と照会がしやすいように。三つ目はSEO的観点です。
☆読みやすく、原語表記と照会もしやすく
私の記事を読まれている方は、ほとんどが韓国語の読み方を知らない方だと思います(なお私自身韓国語の習熟が進んでいるわけではありません。ハングルの発音は大体覚えましたが、その他単語・文法の記憶はまだまだです)。そして、もちろん一番読みやすいのは日本語表記。
しかし、KRA公式サイトには韓国語表記と英語表記が記載されています。日本向けであれば日本語表記だけを記載すれば良いですが、それでは公式情報との照会を行う際に手間がかかります。以上を考慮すると、韓国語・英語・日本語を全て表記するのが良いだろう。そして、原語は一番最初に出してしかるべきだろう。以上の理由で、冒頭に述べた韓国語(英語、日本語)とすることを決定しました。
☆SEO対策
日本のファンが韓国馬を検索するときに、いちいち韓国語や英語に翻訳して検索することはないはずです。おそらく「グローバルヒット 馬」などと検索するかと思います。その際に日本語表記がないと、私の記事がヒットしない可能性があり、それを避けるために日本語表記までしっかり記載することにしています。
困ることもある日本語表記
で、韓国語馬名をカタカナにするのが結構大変なこともあります。
冒頭のnetkeibaの記事同様、私も基本現地実況を聞き、韓国語・英語表記と照らし合わせて最も近い発音をカタカナ化して記載します。
ただし、韓国語以外に由来する馬名の場合は、多少発音を無視し、いわゆる「カタカナ英語」化して記載することもあります。
例えば、昨年の二冠牝馬이클립스베리 (ECLIPSE BERRY)は韓国語表記だと明らかに「イクリプスベリ」ですが、「ECLIPSE」は日本では一般的に「エクリプス」と読むため、私の記事では「エクリプスベリー」と表記します。
私が最もカタカナ化で困ったのは、昨年のコリアカップ7着馬・몬탁챗(MONTAUK CHAT)。韓国語に忠実に発音すると「モンタクチェッ」ですが、英語表記だと「モントークチャット」。かなりの乖離があり、どこで落としどころを見つけるか今でも悩んでいます。「CHAT」を「チェ」とすると意味が通らなくなるので、ここはカタカナ英語化して「チャット」、前半は英語と韓国語の間を取って「モントク」もしくは「モンタク」がいいのかなと思ってはいますが…。
さらに細かい話
ここからはさらに細かい話。韓国語に由来する馬名の場合、「特定の子音が語頭に来ると濁音化しない」というルールがあり、これが頭を悩ませます。
これに従うと、석세스백파(SUCCESS BAEKPA)は本来「サクセス ペクパ」、투혼의반석(TUHONUI BANSEOK)は「トゥオニ パンソク」となります。
ただし、これは「석세스」と「백파」、「투혼의」と「반석」がそれぞれ別単語だった場合の話。馬名は一つで1単語と考えるのが自然なので、「それらの子音は語中では母音の後ろに来ると濁る」というもう一つのルールに従うと、やはりそれぞれ「サクセスベクパ」「トゥオニバンソク」とするのが良い、ということになります(現地の実況も濁って発音しているように聞こえます)。
なおトゥオニバンソクについてはさらにややこしい話が2つあります。
・KRAの英語実況では「トゥホヌィバンソク」と、「h」の音をしっかり発音しています(日本のサイトのカタカナ表記でもこちらを採用しているところが多い)。しかし、より自然な発音では母音と母音に挟まれた「h」の音は弱化するので、「トゥオ」がより韓国語の発音に近いと言えます。
・「의」は本来「ui」=「イ」と発音されますが、助詞「~の」として使用される際は「エ」と発音されます。そのため、「투혼의반석」=逐語訳で「闘魂の盤石」と考えると、「トゥオネバンソク」が最も言語に則った発音ということになります。しかし、韓国語を知らない方が「ui」なのに「エ」の発音?と混乱することを避けるため、あえてここは「トゥオニ」と表記することにしています…が、2023年コリアスプリント2着の벌마의스타(BEOLMAUI STAR)は日本でも「ポルマエスター」として定着しているため、ここと整合性を取るためにも今後は「トゥオネ」とするべきかなぁ…と悩んでいるところです。

過去に日本遠征した韓国馬のカタカナ表記チェック
最後に、これまで日本に遠征した韓国馬のカタカナ表記をチェックしましょう。
2013年インタラクションカップ
・와츠빌리지(WATTS VILLAGE):ワッツヴィレッジ
・플라이톱퀸(FLY TOP QUEEN):フライトップクイン
・풀문파티(FULL MOON PARTY):フルムーンパーティ
この年は全て外国語由来の馬でした。全く文句のつけようがありません。
2014年インタラクションカップ
・히어히컴스(HERE HE COMES):ヒアヒカムズ
→「어」は本来「ア」に近い「オ」なので、原語発音は「ヒオヒコムス」が近いですが、英語の意味を活かした形です。
・파랑주의보(PARANG JUUIBO):パランジュイボ
→韓国語で「波浪注意報」の意味。ここも「주」は語中+母音後の判断なので「ジュ」と濁っています。
・우승이야기(USEUNG IYAGI):ウスンイヤギ
→韓国語で「優勝+物語」の意味。
2015年インタラクションカップ
・천구(CHEON GU):チョング
→韓国語で「天球」の意味。
・카우보이선(COWBOY SON):カウボーイソン
→「SON」を「ソン」とするか「サン」とするかは個人の好き好きという面はありますが、ここは韓国語発音を優先した形です。
・다이나믹질주(DYNAMIC JILJU):ダイナミクジルジュ
→「질주」は韓国語で「疾走」の意味。この馬の解説が特に難しいです。
①本来語頭の「다」は濁らないので「タ」となる(韓国語ルール)
②「질주」の「질」は母音に挟まれておらず、また有声音化する子音の後にも来ていないので、本来有声音化せず「チ」となる(韓国語ルール)
したがって、韓国語の発音に倣うと「タイナミクチルジュ」となるはずですが、英語表記の「DYNAMIC」を活かしたかったのか前半は中途半端に「ダイナミク」となり(じゃあ「ダイナミック」でいいじゃん)、後半も英語表記に倣ったのか「ジルジュ」となりました。何とも言えない中途半端な表記な気もします。
2016年インタラクションカップ
・빛의왕자(BICHUI WANGJA):ビチェワンジャ
→韓国語で「光の王子」の意味。やはりここでも「의」が「~の」の意味として、「エ」の発音で記載されています。厳密には「빛」が語頭なので「ピチェワンジャ」が近いですが。
・우박이(UBAKI):ウバギ
→「우박」は韓国語で「雹」の意味。なぜか最後に「~が」にあたる「이」が付いています(ここはよく分からないのでご存じの方は教えてください)。
・오르세(OREUSE):オルセ
→おそらく、フランスにあるオルセー美術館からとったのではないかと思います。韓国語には長音の概念がないため、正確には分かりませんが。
まとめ
以上、韓国語→カタカナ表記について語ってきました。変換する際のポイントをまとめると、以下の通りになります。
・日本語で発音しやすく、また混乱を招かない表記にする
・原語表記および発音との落としどころを見つける
・なるべく原語の意味を活かした表記にする
・困ったらレース実況でどう発音しているかを聞く
今後とも私の記事のカタカナ表記をよろしくお願いいたします。

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