このシリーズの第3回です。

牝馬路線の重賞競走
牝馬路線は明確で、春と秋にそれぞれ3レースずつ重賞があり、春が内外混合、秋は国内産馬限定という形式です。これらの「クイーンズツアーシリーズ」は2023年から春と秋に分離しており、この運用は今年で3年目となります。
3月:東亜日報杯(동아일보배)L、ソウル1800m
3月中旬に開催される春の牝馬重賞一戦目。過去の勝ち馬を見ても大統領杯の勝ち馬ラオンファースト、通算重賞11勝の名牝・シルバーウルフ、三冠牝馬・チュルゴウンヨジョンの名前があります。レベル的にも阪神牝馬ステークスあたりに相当すると言って問題ないでしょう。
4月:トゥクソム杯(뚝섬배)G2、ソウル1400m
ここが春の牝馬路線の頂点。日本でいうヴィクトリアマイルに相当する一戦です。また2015年からは国際開放競走に指定され、初年度の一戦は日本のエスメラルディーナが優勝しました。
なお、かつては牡馬三冠路線の一戦目として開催されていました(2007年のみ)。その後古馬に開放されたのち、2012年から牝馬限定重賞になるという怒涛の内容変更をたどっています。
6月:KNN杯(KNN배)G3、釜山1600m
春の牝馬三冠路線の最終戦。こちらも上半期の牝馬路線を締めくくる重要な一戦ですが、日本ではヴィクトリアマイルが終われば後は夏に向けて…という感じなのでこの規模感のレースがなかなかありません。時期やグレード的に、自動的に府中牝馬ステークス(昨年までのマーメイドステークス)相当ということにはなりますが。
9月:済州特別自治道知事杯(제주특별자치도지사배)G3、ソウル1400m ※内国産馬限定
ここからが秋の内国産馬限定クイーンズツアーシリーズ。第一戦は1400mで、短距離を主戦場とする馬も交えての激戦となります。ここがアイルランドトロフィー(昨年までの府中牝馬ステークス)相当のレースと考えて良いでしょう。
10月:慶尚南道知事杯(경상남도지사배)G3、釜山2000m
※内国産馬限定
二戦目の慶尚南道知事杯は一気に距離が伸びて2000m。ここが秋の内国産牝馬最強馬決定戦ということになり、日本のエリザベス女王杯に相当します。
11月:ブリーダーズカップクイーン(브리더스컵 퀸)L、釜山1800m ※内国産馬限定
2023年より開催されている秋の牝馬三冠路線最終戦。「ブリーダーズカップ」と銘打っているものの格付けはリステッドで、いささかミスマッチ感はあります。それでもここ2年のメンバーは最強クラスの牝馬が集まり盛況。時期的に日本のターコイズステークスがそのままG2~G1になったと考えていただいて問題ありません。

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